慢性疾患に関わる専門看護師の役割と重要性

慢性疾患とは、糖尿病や心疾患を始め脳血管疾患など様々な臓器に生ずるもので、治療期間は長期にわたり患者やその家族の心理的負担も大きい疾病と言えるでしょう。こうした慢性疾患に苦しむ患者は少なくありません。慢性疾患の治療に関わる看護師にも専門家としての高いスキルと豊富な知識を求められるようになっています。慢性疾患の治療に取り組むエキスパートとしての看護師を育てるため、慢性疾患看護専門看護師という特別な資格が設けられました。

慢性疾患看護専門看護師は専門看護師の1つで、看護師として5年以上の実務経験がある者のうち慢性疾患に3年以上関わり、更に看護系大学院の修士課程を終えた上で認定審査に合格するという難しい条件をクリアしないと資格を取得できません。慢性疾患は、循環器や消化器から呼吸器や神経系まであらゆる分野に及ぶので、慢性疾患看護専門看護師は幅広い分野にわたる包括的な医学知識と、個別の疾病に関する具体的な治療方法の知識のどちらも身につける必要があります。

さらに、患者個人の特性に着目して実効性のあるケアを行えるスキルが必要になります。ただし、慢性疾患の患者は医師や看護師などの医療従事者だけでサポートするものではありません。福祉分野の専門家の援助も得て、患者に負担の少ない長期的な療養計画を立てて継続的な支援を行うことが不可欠です。こういった包括的サポートがでいるよう慢性疾患看護専門看護師は、、患者や家族の相談を受けて教育活動を行い、メンタルケアに配慮しつつ関係機関との調整を行う役割を担っています。