看護師が慢性疾患を抱える患者にできること

慢性疾患を抱える患者は、その疾患が原因で日常生活の様々な場面において制限を受けることになります。慢性疾患は同時に生活習慣病であることも多いので、症状の改善を望むなら今まで慣れ親しんできた生活スタイルを変更しなければならないからです。さらに薬物療法も必要となるでしょう。しかし慢性疾患のもっとも厄介な点は、一度発症すれば治療にかかる期間は長期にわたり、場合によっては生涯続くこともあるところです。

長期にわたって制限がある生活を余儀なくされると、その負担を思って塞ぎ込みがちになる患者も多いかもしれません。できないことや注意すべきことが多い生活はとても窮屈なものでしょうから、落ち込んでしまう患者の気持ちは理解できます。しかし看護師も患者と同じように、できないことや注意すべきことだけに目を向けるだけでいいのでしょうか。

慢性疾患になってしまった場合、日常生活においてさまざまな不便を強いられるでしょう。しかし何もできなくなるわけではなく、工夫次第では色々とできることも多いです。患者のために注意すべき点を指導することも大切ではあります。しかし患者の現状を把握した上で、できることや工夫の仕方などをアドバイスすることも同じくらい大切ではないでしょうか。それは患者が前向きに病気と向き合える助けになるかもしれません。患者の現状だけにとらわれず、視野を広く持ち想像力を働かせることができれば、より良い慢性疾患の看護を行うことができるでしょう。